皆さんは狂犬病という病をご存じでしょうか?このウイルス性の伝染病は哺乳類をターゲットにしており、もし発症した場合致死率はなんと99.99%に達する自然界の大量破壊兵器であり、バチクソ怖い伝染病です。
狂犬病の予防注射は犬を飼うなら必要な行為ですが、注射は犬にとってとても嫌な事なので、注射に必死で抵抗する犬が発生します。
その抵抗は凄まじく、悪霊が乗り移ったような顔になって手あたり次第に激しく吠えて噛みつき、もうそれが健康な犬なのか狂犬病なのかわかりません。
ですが、この世には最初から狂った状態で生きているヤバい生き物がいます。
そう、ペリカンです。
この目くそがびっしり付いたような不潔な目をした生き物はペリカンといい、世界で八種類ほどが生息する大型の鳥です。
ペリカンは「目の前の命、全部いただきます。」がモットーのため、あらゆる生物をそのくちばしの中にねじ込んで堪能します。
同じ鳥同士であっても関係なく、ペリカンの袋に収まりそうな大きさに生まれたのが運の尽きで、問答無用で食べられます。
あらゆる生き物であるため、それがサバンナの巨人キリンであっても逃れることはできません。
しかしキリンはデカいので、当然の結果ながら飲み込めません。ペリカンは一瞬「あれおかしいな?」と考えますが、ペリカンはもう正常な判断ができないのでもう一度噛みつきます。キリンも絶対に食べられないのでリラックス状態になり、この訳分からん行為を誰も止められなくなります。
ペリカンは生まれた瞬間から狂っているため、同じ親から生まれた兄弟を敵として認識します。そしてありったけの力を振って血のつながった兄弟を天国に旅立たせるのです。またペリカンはヒナの間で共食いをすることでも知られており、ペリカンの巣では幼い赤子たちがアウトレイジするこの世の地獄が展開されます。
親も親で、1か月後には1羽しか生き残れないのに2,3個の卵を産み、他の鳥の親鳥やヒナや卵を食料として自分の子供に与えることもあります。
こうして地獄で育ったペリカンは野に放たれ、その堂々たる体躯とサバイバル能力で20年以上もしぶとく生き残ります。大事に育てれば50年生きて狂気を与えてくれることでしょう。
ペリカンは狂っているものの人間がおいそれと手出しできない特性を持っており、厄介です。
まずペリカンの肉は臭くて不味く、自慢のくちばしの袋に寄生虫が発生しやすいため食用できません。
また人間が多く漁獲する魚を積極的に食べないため、そこまでペリカンを敵視する漁師がいないことが挙げられます。
ペリカンは人をおかしくするらしく、古代エジプトではなぜか死後の世界で重要な鳥であると認知され、エジプト人に狂気をまき散らしました。またキリスト教においても神聖な鳥として迎えられ、中世ヨーロッパを狂乱の渦に引きずり込みました。
このように、地獄から生まれてその喰うか喰われるかの狂気をほかの生き物にも共有しようとする世紀末伝道師、それが狂った自然界からも一目置かれる狂鳥、ペリカンです。
この記事はペリカンのことを大いに脚色しております。ご注意ください。
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