エルロイ・エアの自律型ハイブリッド航空機が初飛行

カリフォルニア州の航空機製造メーカーである Elroy Air (エルロイ・エア)社が、ハイブリッド航空機(hVTOL)の初飛行を行いました。

この航空機は Chaparral C1 (チャパラルC1) と呼ばれており、高度な自律性を備え、タービンエンジンの発電とバッテリーの電力供給によるハイブリッドプロペラ駆動システムと、全部で12基のプロペラを使用した分散型電気推進システムを採用しています。

ハイブリッドシステムを採用することにより、内蔵バッテリーに依存する電動推進システムを大きく上回る航続距離を飛べるという運用上の大きな利点を得ることができます。

また機体を飛行させるために、専用の充電設備を必要としないことも利点のひとつです。

今回のテストでは、カリフォルニア州バイロンにある試験施設において、7mの高度で約1分のホバリング状態を維持して着陸しました。

エルロイ・エアの担当者は「一般にVTOL航空機は、機体がさまざまな体勢になることで、異なる駆動負荷が発生する。さらにハイブリッドでこれを2つの電源系で行うため、固定翼の航空機よりも要求が複雑で厳しい。」と述べました。

そして「我々の開発チームは、タービンエンジンとバッテリーの2つの電源を適切に制御する電源管理と、機体の振動制御の2つの技術的課題を見事に解決した。この初飛行は彼らのおかげだ。」とコメントしています。

チャパラルC1の機体諸元は以下の通りです。

・翼幅 8.01m
・長さ 5.88m
・離陸用垂直プロペラ×8基
・巡航用推進プロペラ×4基
・ペイロード 136kg(300ポンド)
・航続距離 483km(300マイル)
・巡航速度 125km/h

チャパラルC1には、水上飛行機のフロートのような形状をした専用のカーゴポッドが開発されています。

この「Palletized Pod (パレットポッド)」や「Express Pod (エクスプレスポッド)」を荷物に応じて使い分けて運搬します。

チャパラルC1は、以下の3つの運用を目指して開発が行われています。

・航空運送が空港までに制限される現状を改善する、ミドルマイル物資輸送システムの構築

・危険な地域での無人飛行による物資輸送を行う軍事航空輸送

・インフラレベルが低い地域への迅速な支援物資を輸送する人道的航空輸送

エルロイ・エア社はベンチャーキャピタル企業や大手航空機メーカー、エンジェル投資家のほか、AFRL(空軍研究所)やAFWERXなどの空軍関係組織からも支援を受けて開発を進めています。

エルロイ・エア

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