中国の新型高機動装甲車両が生産を開始

2023年12月、中国兵器装備集団公司(中国南方工業集団)の傘下企業である長安社が開発した新型装甲車「CS/VP14」が生産工程に入ったと発表がありました。

CS/VP14は、現在世界各国で配備が進んでいるMRAPの1種であるとされています。

MRAPは軽快な機動性を持ちながらも特に爆発に対して高い防御力を持った軍用車両であり、2000年代から従来の装甲車両に対する置き換えが始まっている車両です。

CS/VP14は防弾能力として NATO STANAG 4569 規格のレベル1に相当する、30m離れた位置から発射された7.62×51mm NATO弾を防ぐ防弾性能を持ちます。

続いて防爆性能については、最大で NATO STANAG 4569 規格のレベル3-b に相当する、8kgの対戦車地雷の爆発に耐える防爆性能を持ち、V字型耐地雷ユニットと4点式安全ベルト付地雷対策シートが備えられています。

CS/VP14は2名の乗組員と8名の乗客を収容でき、車体寸法は長さ6.6m、幅2.6m、高さ2.65mでホイールベースは3.7mとなっており、9,000kgの重量があります。

エンジンは280馬力の出力を発揮する カミンズ ISDe285 30 を搭載し、最高速度120km/hを発揮します。

走行装置にオートマチックトランスミッションとフルタイム4WD駆動方式が採用され、最大60度の勾配を登坂することができます。さらに防弾仕様のタイヤには中央部を膨張させる機能も備わっています。

それではアメリカで配備数が多いMRAPであるM-ATVとその改良型であるL-ATVのスペックを比較してみましょう。

 M-ATV 

・全長6.27m、全幅2.49m、全高2.7m
・重量12,500kg
・エンジン出力 370馬力
・最高速度 105km/h
・乗員数 5名

 L-ATV 

・全長6.2m、全幅2.5m、全高2.6m
・重量6,400kg
・エンジン出力 300馬力
・最高速度 110km/h
・乗員数 4名

 CS/VP14 

・全長6.6m、全幅2.6m、全高2.65m
・重量9,000kg
・エンジン出力 280馬力
・最高速度 120km/h
・乗員数 10名

徹底的に軽量化しているL-ATVに比べると重量が重く、全長サイズも一回り大きいといえます。

エンジンも、出力だけ見るとやや非力です。

一方乗員数は全部で10人を載せられるため、MRAPとしては多めの乗員を載せる車両だと分かります。

CS/VP14はモジュール構造によるバリエーションがあると思われるため、一概に性能を決めつけることはできませんが、突出した性能のない無難な設計であると思われます。

テクワンは皆様の応援により支えられています。

サイトをサポート

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

ドローンや車両などのテクノロジーに関連する記事を上げています。