米軍がM2ブラッドレー戦闘車の後継「XM30」のコンセプトを発表

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概要

アメリカ陸軍が運用しているM2ブラッドレー歩兵戦闘車の後継となる車両計画「OMFV」について、2023年11月にコンセプト車両のデザインが公開されました。

OMFV計画は Optionally Manned Fighting Vehicle(乗員を必須としない戦闘車両)の略であり、その名の通り乗員がいなくても操作できる点が今までの戦闘車両と異なっています。

M2ブラッドレー歩兵戦闘車は1981年に採用された車両であり、運用開始から40年以上が経過しています。そのため改良を施しても装甲や電子機器、防護システムが技術的に限界に近付いており、後継となる車両の開発が叫ばれていました。

開発される車両は、乗員の保護や戦場で敵を排除するなどの歩兵戦闘車としての機能はそのままに、新たに遠隔操作による操縦と遠方の敵を探知して攻撃する能力の獲得が目指されます。

以前にもM2ブラッドレーの後継を開発するFCS計画やGCV計画が持ち上がりましたが、コストの関係で2つとも計画がとん挫しています。

OMFV開発では以下の4つの機能の獲得が計画されています。

●小隊レベルでの迅速なデータ受信・送信を行い、展開した部隊やほかの車両、指揮所との連携強化

●対抗勢力の機械化歩兵部隊に対する射程外からの長距離攻撃能力、友軍歩兵部隊への火力支援、センサーで戦場の驚異度を分析して共有することで歩兵部隊の行動を補佐する機能

●自己診断システムにより最適なタイミングで消耗品の補充や部品交換を提案することにより、車両の信頼性の向上と軍団全体のランニングコストを低減する

●配備後に開発されるであろう新たな装備を迅速に適応する拡張性を持つ

開発計画

開発は5つのフェーズ分けられており、最終的に低率初期生産車両を配備するものになっています。

 フェーズ1 調査 

市場調査と開発要件の制定。

 フェーズ2 初期設計 

モデリングやシミュレーション、情報分析を通してコンセプトデザインを策定し、初期設計を進める。

フェーズ2には以下の5社が参加

●Point Blank Enterprises (ポイント・ブランク・エンタープライズ)

●Oshkosh Defense (オシュコシュ・ディフェンス)

●BAE Systems Land and Armaments (BAEシステムズ)

●General Dynamics Land Systems (ゼネラル・ダイナミクス)

●American Rheinmetall Vehicles (アメリカン・ラインメタル)

 フェーズ3 各種詳細設計 

OMFVが持つべき性能の決定と実用的な視点から見た機能の洗い出し。試作生産のため、製造、統合、開発手順、試験、システム全体の評定についての計画設計。

 フェーズ4 プロトタイプの製造 

プロトタイプの試験評価と、実際の部隊への少数車両の配備と実践的な使用。

 フェーズ5 生産と配備 

生産と試験、現場での実働試験などを含んだ低率初期生産契約の締結。

現状と今後の展望

2023年11月現在、ゼネラル・ダイナミクスとアメリカン・ラインメタルが試作競争しており、実用化に向けた開発と試験が行われている状態です。

このことから、現在の開発状況はフェーズ3とフェーズ4の中間ではないかと思われます。

計画プランでは2023年からプロトタイプの製造とテストが開始され、2027年に最初の生産車両が軍に納入されることになっています。

計画では2027年となっていますが、正式採用となった場合、置き換えられるのは全てのブラッドレー戦闘車なのかどうかや、更新中陸軍の戦力を維持しつつ置き換える方法、更新の具体的なスケジュールの制定など計画を進めるにはさらなる時間が掛かることが予想されます。

また最近明らかになった装甲車両の傾向として、進化する対戦車ミサイル・ロケットに対して防護力が不足しているため、十分な対策が必要であると指摘されています。

新たな兵器は戦訓を適用するのが一般的ですから、より完成度を高めるべく時間と予算をかけて設計更新となるでしょう。

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