21世紀でも現役で使用されている世界でも珍しい自走海岸砲である、ロシアの「A-222E (Bereg-E)」システムを紹介します。
A-222-E Bereg-E
130mm_Russian Coastal
Mobile Artillery system
©2020 World Defense PH
海岸砲 A-222E主要緒元
有効射程距離 | 20[km] |
最大探知距離 | 35[km] |
同時追跡目標数 | 4 |
同時交戦目標数 | 2 |
発射速度 (1門あたり) |
12~14[発/分] |
弾薬 (1門あたり) |
44[発] |
航続距離 | 850[km] |
ロシア軍艦用から派生した130mm砲を搭載
砲には54口径(砲身長)の130mm砲が装備されています。
130mmという砲の大きさは、ロシアの軍艦で使用されているAK-130砲に合わせた値です。
A-222EとAK-130は砲の大きさこそ同じですが、自走砲として使用するため54口径とし、冷却システムを省略するなどの変更が加わっています。
運用システム
A-222Eは、数両の車両を組み合わせたシステムとして運用します。
6両の130mm自走砲車、1両の火器管制車両、1~2両の支援車両によって運用します。
システムは遠隔操作による砲撃も可能なように設計されています。
大型トレーラー
A-222Eの台車にはMAZ社が開発した、MAZ-543が使用されています。
この車両は1962年に完成し、弾道ミサイルやロケット砲などロシア陸軍で様々な用途に使用されています。
このモデルは現在でも改良が続けられながら生産される長寿モデルとなっています。
自走砲との違い
A-222Eシステムは各国の自走砲システムによく似ていますが、運用形態が異なります。
まず対空砲弾を使用することができます。最大で200ノットまでの標的に対応することができ、ヘリやホバークラフト艇とも交戦できるのです。
他国の自走砲にこのような機能は無く、敵の上陸部隊を食い止めるためあらゆる脅威に対応するシステムの性格が現れています。
射程距離は20kmと短いため、ミサイルなどの防衛網を突破した敵に対する最終防衛線を担当すると予想されます。
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