パイアセッキ・エアクラフト社がVTOL無人機「ARES」を開発中

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航空機の試作実験機を製造するパイアセッキ・エアクラフト社が開発中の無人航空機「ARES」が、一度計画中止に追い込まれながらも、新たな予算を獲得したことで開発継続されることになりました。

ARESの試作機は垂直離着陸するための巨大な2基のリフトファンを持った、一対の翼を持ったユニークな形状をしています。

基本的に無人で運用されますが、操縦席モジュールを組み込むことで有人制御も可能です。

ARESは3,000ポンドのペイロードと200ノットの巡航速度を持ち、フライ・バイ・ワイヤシステムによる操縦制御を行うよう計画された機体でした。

機体中央にモジュール形式でさまざまなタイプの機体構成を組み上げ、あらゆる任務への対応力と、ヘリコプターの半分の着陸ゾーンで離着陸する能力が目指されていました。

イメージ画像では、機体中央に巨大なコンテナを取り付けて飛行しようとする様子が描かれています。

ARESは2009年からロッキードのスカンクワークスが開発を開始し、途中からパイアセッキが引き継いで開発を継続します。計画には10年の歳月と8,900万ドルの資金が投入されました。

しかし、技術的な課題を解決するにはさらなる時間と予算が必要であると判明したのです。

2019年にDARPAは予算超過とこれ以上の時間の延長は不可能であるとして、計画の中止と開発予算の凍結を決定しました。

パイアセッキはDARPAの支援がなくなったものの、ARESの開発自体は続けました。

そして2023年にAFWERXとの契約により新たに予算がつけられることになり、計画を前進させる機会を得たのです。

現在パイアセッキ社はハネウェル社と協力し、新たなフライ・バイ・ワイヤシステムによるARESの飛行試験を計画しています。

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さて、今回の社名を聞いてヘリコプターのことを思い浮かべた方もいると思いますが、この会社は少々複雑な経緯をもっています。

黎明期のヘリコプター開発の一人でもあるフランク・パイアセッキがパイアセッキ・ヘリコプターを設立しますが、1955年に経営陣と衝突した末に解雇されてしまいます。

フランクが退いた後、パイアセッキ・ヘリコプターはボーイング・バートル社となり、現在はボーイング・ローター・クラフトシステムになっています。

一方フランクは、退職後すぐに新たな航空機会社を設立しました。それが今回のパイアセッキ・エアクラフト社というわけです。

この会社は設立以降、新技術を持った一連の試作機を製造しています。現在は彼の息子たちがパイアセッキ・エアクラフトの経営陣を務めています。

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