B1爆撃機の改良型 BEAST が初飛行

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アメリカ合衆国テキサス州のダイス空軍基地で、2023年9月に大型戦略爆撃機の B-1B BEAST が初飛行を行いました。

B-1B BEAST は1970年代に開発された B-1B に2040年代でも通用する戦闘能力を付与した改良型であり、ソフトウェアとアビオニクスの改良に重点を置いています。

敵味方識別システムを最新バージョンのものに更新し、Link16戦術データリンクシステムの通信機能搭載、安全な通信システムへのアップグレードが予定され、さらに現代戦では必須といえる大容量データストレージの搭載も行われます。

いくつかの異なるアップグレードをまとめてパッケージ化することにより、軍の要求する多目的な任務にもテンポよく対応するようになっています。

BEAST への改良によって搭乗員は任務中戦闘システムにより集中でき、従来の作業負荷が削減されることでさらに効率的な作戦行動が可能になると軍の司令官は述べています。

今回のような既存の爆撃機の改良は、将来的に配備されるB-21 レイダー爆撃機(開発はB-2と同じノースロップ・グラマン)までの戦力維持の一環として行われています。

B-1B爆撃機は搭載量が非常に多いことで知られており、機体内部に34トンの搭載力を持ちます。これに留まらず、機外にも20トンの兵器を搭載できるよう設計されています。

ただし、元来は戦略爆撃を行うため開発された機体であり、通常の爆撃機として使用されるようになったのは近年になってからのことです。このため機外の搭載能力は封印されたままになっている状態です。

現在空軍ライフサイクル管理センターにおいて、B-1Bの搭載力を引き出す活動が行われているため、将来的には機外にも使用可能な装備が開発される可能性もあり、いまだに多くの潜在能力をはらんだ機体といえるでしょう。

BEAST 改良作業は、ダイス空軍基地で行われる23機分のアップグレードをはじめ、エルズワース空軍基地とティンカー空軍基地でも行われる予定です。

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