SF映画の花形といえばやっぱり” ロボット映画 ”ですよね。今回は、ロボットが敵として登場して大暴れする映画をピックアップして紹介しようと思います。
ED209
●登場作品:ロボコップ(RoboCop)
●種類:治安維持ロボット
オムニ社が製造する重武装ロボット。ロボコップよりも先に開発されており、オムニ社の副社長であるジョーンズがプロジェクトリーダーを勤めていた。ジョーンズの考えには治安維持など毛頭なく、このロボットを軍事用に改良して軍と大型契約を結ぶことしかなかった。
ED-209の外見上は鶏のような逆関節が特徴的で、左右の腕にはそれぞれ機関銃2丁(設定では機関銃とオートマチックショットガンの組み合わせ)を内臓し、右腕にはさらに3連装ロケットランチャーを装備していた。
武装は充実しているが、ソフトウェアは未熟であり、映画冒頭のデモンストレーションでは銃を捨てたことを認識できずに攻撃モードが発動し、幹部一名を射殺してしまう。
中盤ではジョーンズのボディーガードとして登場し、主人公のロボコップを上回る火力とパワーによって、一対一の状況ではロボコップを苦しめる。
このロボットは製作スタッフに愛されており、劇場版ではリブートも含めて全て出演を果たしている。
ロボコップ2号
●登場作品:ロボコップ2(Robocop 2)
●種類:治安維持サイボーグ
前作よりも治安がさらに悪化し、犯罪者たちが軍隊並の装備を持つほどになったことから急遽ロボコップを増産することになったものの、前作でロボコップの素体となったアレックス・マーフィーのように上手くいかず、試作されたロボコップたちは全て自壊してしまう。
そんな状況を見たオムニ社の女性心理学者ファクス博士が「犯罪者を素体にするべき。」と言い放つ。そんな中、負傷したデトロイトの麻薬王ケインがロボコップに強制連行されてきた。
ファクス博士は重度の麻薬患者でもあるケインを見て、麻薬さえあればこの男を思いのままに操れると考え、怪我で動けないケインに脳髄を取り出す手術を強行してしまう。
こうして誕生したロボコップ2号(ケイン)は、ロボコップよりも数段大きく固定武装が強力で、ガトリングガン、連装式アサルトキャノン、伸縮式ナックル、サーチライトで武装していた。
防御力も非常に高く、警官隊に四方八方から撃たれても全く通用しない。
劇中では任務遂行の報酬として特大の麻薬カプセルを得られることになっていたが、いつまでたっても与えられず、終盤にて社長が麻薬撲滅の演説で実物のカプセルを見せてしまい、自制が利かなくなってしまう。そこにライバルのロボコップが現れたことで完全にキレてしまい、無差別に発砲する殺戮マシンと化してしまう。
NS-5
●登場作品:アイ,ロボット(I,Robot)
●種類:人型多用途ロボット
ロボット三原則を組み込んだ人型ロボットが広く普及した近未来のシカゴ。昔交通事故に遭い、ロボットに助けられたものの、そのロボットの論理的な救助活動による理不尽な行動がトラウマとなり、悪夢にうなされるスプーナー刑事。
そんなロボット嫌いの刑事に、昔から世話になった恩師でもあり第一級のロボット工学博士でもあったラニング博士が飛び降り自殺したと連絡が入る。
博士の研究室で捜査していると突然1体のロボットに襲われる。そしてこの人間の命令を聞かないロボットはすぐに逃走してしまう。そのロボットは現在大量に生産されて出荷まであと僅かしかない高性能ロボットNS-5の一体だった。
NS-5は優しそうな顔立ちをした、真っ白なボディと黒い人口筋肉で構成されている。設計と生産はすべてAIが決定した純ロボット産というような代物である。
人口筋肉は過剰なほどのパワーであり、人間の数倍の身体能力を備えている。その気になれば人間を何メートルも投げ飛ばせ、人間よりも正確で素早い動作を行える。そして毎日ソフトウェアアップデートを行うために本社とオンライン接続を行う。
劇中では出荷用トラックに大量に積まれていたNS-5が高速道路上で大挙してスプーナーに襲い掛かったり、鉄の棒を振り回して格闘する。
ネクサス6
●登場作品:ブレードランナー(Blade Runner)
●種類:労働・軍用アンドロイド
その退廃的な世界観や独特の芸術的表現により、今も根強い人気を持つ作品。
21世紀はじめ、深刻な環境破壊によって地球環境が大幅に悪化、人々は居住可能な惑星を開拓して移住する時代に突入していた。
そして、惑星開拓という過酷な労働作業を行うためのアンドロイドとして「レプリカント」と呼ばれるアンドロイドが開発された。タイレル社が開発したネクサス6と呼ばれるモデルは人間と同じ外見で血を流し、身体能力は人間を優に超え頭脳は天才科学者の脳をモデルにした超高スペック機種だった。
その能力上感情を持って人間の敵となった場合非常に都合が悪いため、天才的頭脳の持ち主であるタイレル博士がありとあらゆる方法をとっても突破出来ない機能停止プログラム(短い寿命)を設定している。
そして複数のネクサス6が植民地惑星から脱走し、地球に紛れ込んだという情報が入る。これらレプリカントを速やかに排除するようブレードランナーのデッカードに緊急任務が下った。ブレードランナーとは人間に歯向かうレプリカントを探し出して排除する専門家だった。
ネクサス6は人間と同じ見た目であり、身体能力が高く、高度な戦闘プログラムを持っているため格闘ではまず勝つことが出来ない。見破るには特殊な質問に答えさせる検査を受けさせて、レプリカント特有の反応を見極めるしかない。
ガンマンロボット
●登場作品:ウェストワールド(Westworld)
●種類:エンターテイメント用アンドロイド
最近テレビドラマとしてリメイクされた作品だが、オリジナル公開は1973年と非常に古い。ここではオリジナル版を記述。
人間と大差ないアンドロイドを製造できるようになった近未来。あるテーマパークが人気を博していた。そのテーマパークはいろいろな時代の物語の主人公となり、ある時はローマ時代の君主、ある時は中世の騎士、ある時は西部劇のガンマンとなりスリリングな体験を得られるのだ。
そして、主人公も西部劇のガンマンとしてテーマパークにやってきた一人の客だった。
テーマパークの目玉はロボットと戦えることだった。ロボットは適度に手加減し、安全装置も組み込まれていることから客は絶対に安全である。そして客が致命傷を与えても、施設の整備場で修理されリセットされるのだった。またテーマパークにいる馬などの動物もロボットだった。
しかし、あるときロボットアニマルが人間に噛み付くと言う致命的な事故が起こってしまう。施設の監視員たちは上層部に報告するが、上層部は聞く耳を持たない。そして安全装置の故障したロボットが客を殺してしまう。
施設内のロボットが一斉に狂いだし、主人公は(事故が起こる前に)一度倒したはずのガンマンのロボットに執拗に狙われてしまう。ガンマンロボットはレバーアクションライフルとリボルバーで武装し、早撃ちとズームアイによる目の良さを併せ持った最も危険なタイプだった。
何度撃退しても追いかけてくるしつこさは、後の「ターミネーター」の展開によく似ている。
ハイパーダインシステムズ・120-A2
●登場作品:エイリアン(Alien)
●種類:監視用アンドロイド
映画「エイリアン」に登場するアンドロイドでノストロモ号のクルーの一員として振舞ってはいたものの、実は巨大企業であるユタニウェイランド社から極秘の任務を与えられており、その時他のクルーの命は考慮する必要はないとされていたため徐々に牙をむくようになる。
力が強いため人一人程度なら余裕で投げ飛ばすことができ、数人がかりで押さえつけようとしても微動だにしない。ただし耐久力はあまりなく、急所に衝撃を与えれば機能不全に追い込むことができる。
劇中では察しのよいリプリーを口封じするために窒息死させようとし、それを他の船員に止められようとした時に首がもげてしまうシーンは印象的。また白い液を循環させているロボットという設定も斬新。
ABCウォリアー
●登場作品:ジャッジドレッド(Judge Dredd)
●種類:戦闘ロボット
ハイテク装備に身を固めた未来の法執行人であるジャッジの活躍を描く「ジャッジドレッド」に登場するロボット。
映画の時代よりもずっと前に行われた戦争に投入された戦闘ロボットで、破壊を免れた一体がアンティークショップに保管されていた。
本作のヴィランであるリコは修理方法を知っていたらしく、電気回路を修復するとすぐに復活していた。
巨体に見合った怪力であり、腕を一薙ぎするだけで人間は吹っ飛んでしまう。また手の甲に機銃が複数仕込まれており、一瞬で火力を展開することも出来る。
戦闘行動に対して満足感を得られるようプログラムされており、複数のジャッジを撃ち殺したときには嬉しそうな顔になっていた。
ハマードローン
War Machine First Appearance Scene –
Hammer Drones Presentation Scene –
Iron Man 2 (2010) HD
©2018 Best Scene
●登場作品:アイアンマン2(Ironman 2)
●種類:戦闘ロボット
映画アイアンマン2に登場するロボットで、スターク・インダストリーを敵視する実業家のジャスティン・ハマーが試作したアーマーをベースにし、途中参加したヴィランの開発者であるイヴァン・ヴァンコが「人間よりもマシンのほうが信頼性がある。」と言ってアーマーをロボットに改造して誕生した。
肩に大口径砲を搭載した陸軍機、両肩に小型ミサイルポッドを搭載した海軍機、対空ミサイルとドッグファイト飛行中に発射できる機銃を搭載した上に主人公のアーマーと互角の飛行性能を持った空軍機、小型ミサイルとブレードを搭載した海兵隊機など4種類が用意されている。また共通武装として手首には機銃が内臓されている。
4種類の構成は全て軍と契約するためのバリエーションである。これは、作中で主人公のトニーがアーマーの設計データをアメリカ政府に出し渋ったため、アメリカを含めて他勢力がアーマーと同等の兵器を手に入れたいという需要が生まれていたことによる。
武装は既製品の組み合わせであり、装着型のアーマーと比べて装甲も貧弱な様子で、子供用の仮面をアイアンマンと認識するなどポンコツAIだった。しかし全ての機体が飛行能力を持っており、各国の軍隊には魅力的に見えたかもしれない。
劇中ではイヴァンにハッキングされ、アイアンマンに大挙して押し寄せていた。
エアーロボット
●登場作品:ガンヘッド(GUNHED)
●種類:戦闘ロボット
ある無人島に建造されたロボット兵器プラントのAIが人類に宣戦布告。その対策として、各国は「ガンヘッド」と呼ばれる可変機構付きの戦闘ロボットを投入した。しかし、AI側が開発した対ガンヘッド用ロボット「エアーロボット」により全滅してしまう。
1989年に公開された日本映画「ガンヘッド」の最大の敵として登場するロボット。
エアーロボットはアームを2つ持った、運転席のなくなったショベルカーのような見た目をしている。アームには火炎放射器と電磁ブレードを内蔵している。そして赤く光り輝く3連式のセンサーを機体中央に搭載して睨みをきかせている。このセンサーは荷電粒子砲にもなり、実弾兵器しか持っていないガンヘッドよりも優れた火力を持っている。ほかにはレールガンを機体側面に装備している。
装甲は電磁装甲という設定で、近距離で強力な攻撃を当てないとダメージが通らないなど、まさに要塞。
この映画は巨大ロボットの戦いを実写化するという邦画界の意気込みもあり、発表当時は注目された映画だった。「死ぬ時はスタンディングモード。」などの名台詞や現在もたまに使われる映画の曲などもあり、印象に残っている人も多い。
センチネル
●登場作品:マトリックス(Matrix)
●種類:建設・戦闘ロボット
コンピュータグラフィックスを大幅に取り入れた先進的な映像表現と、仮想現実という2つの要素によりSF映画に革命をもたらしたマトリックスシリーズ。
機械側の主戦力として登場するのがこのセンチネル。劇中では「イカ」と呼ばれている。
センチネルはイカの名に恥じない多数の腕と複数の赤いセンサーアイを持っている。機体はホバーパッドと呼ばれる浮遊機関を搭載しているため、空中を高速で自在に動き回れる。武装は腕の鉤爪とレーザー溶断装置で、飛び道具は持っていない。
金属製の体は大口径の実弾兵器を食らうかEMP系の武器でないと破壊することが難しい。
しかしもっとも厄介なのは数千や数万といった数の暴力で攻めてくることで、どんなに防衛網を張り巡らせても必ず突破されてしまう。
マトリックスの世界がどのように出来たかを描いたアニメーション映画「アニマトリックス・セカンドルネッサンス」でも登場しており、旧式の機種だったことが分かる。
意外なことに設定での本業は建設業であり、巨大な施設のメンテナンスや建造を受け持つ働き者であるとされている。
ヴァイラス・マシーン
●登場作品:ヴァイラス(Virus)
●種類:戦闘ロボット・生態兵器
ロシアの宇宙ステーションが奇妙な磁気嵐に遭遇。その際に通信システムが勝手に起動し、ロシアの衛星探査船に雷のようなものを落下させてしまう。
実は宇宙ステーションが遭遇したのは磁気嵐ではなく、エネルギーのような形態をとる知的生命体だった。知的生命体はデータベースを解析して人類を地球にとって害を成す存在だと判断し、人類を殲滅するための準備を始めたのだった。
この映画には手のひらに収まる玩具のようなロボットから、数メートルに達する巨大ロボットまでさまざまな大きさとタイプが登場する。しかも、人間をパーツとして使うなどやたらと有機物と融合させるデザインで、人によっては気持ち悪くなってしまうシーンも多い。
終盤のボスロボット以外は本物のロボットを製作して稼動させているため、CGにあまり頼らない90年代のSF映画としては創りこまれている。またキャスト・スタッフ・視覚効果が優秀で、あとは全く駄目っだったとして今でも語られることの多い映画になっている。
以上、 ロボット映画 に敵として登場したロボット達でした!
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