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2023年12月、フランスの防衛産業会社であるNexterが、EDEX(エジプト防衛展示会)においてエジプト陸軍向けの強化型主力戦車(EMBT)を発表しました。
EMBTには最新のデジタルアーキテクチャが採用され、各種能力が高められています。
主砲はルクレール戦車と同じ120mm砲が装備され、22発の給弾能力を持つ自動装填装置と組み合わされます。
副武装としてドローンや航空機に対応した30mm機関砲を持ったARX30遠隔砲塔も装備されます。この機関砲はティーガー攻撃ヘリの機関砲と同じものであり、空中炸裂するエアバースト弾も開発中とのことです。
防御においては、従来の複合装甲とは別に対戦車ミサイルを迎撃するAPSを装備します。
機動力については、ルクレールと同じ1500馬力を発揮するパワーパックを装備します。ルクレールは重量が57t程度といわれているため、同じ馬力で60tを超える現用のエイブラムス戦車やレオパルド2戦車よりも機動力が良好であると思われます。
ルクレールの搭乗員は3人ですが、EMBTではサブコマンダーとして4人目の乗員が搭乗することも明かされています。
このように改良が施されたEMBTですが全くの新規開発ではなく、2023年12月ごろから配置され始めたルクレールXLRの技術を転用していると思われます。
エジプトは世界第五位にランクインするほどの戦車を保有しており、その数は3,600両程度と言われています。またアメリカ以外で最もエイブラムス戦車(M1A1仕様)を運用している国でもあります。
エジプトが運用するM1戦車は形式が旧いため、アメリカ軍で運用されているM1A2仕様と同様の性能を持った戦車の需要を狙っていると考えられます。
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