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オランダの造船大手であるダーメン・グループが、ポルトガル海軍と多目的艦についての建造契約を締結しました。
この艦は海上保安業務と海軍の任務活動に加えて、海洋研究調査、捜索救助、緊急救援の役割をこなすことができます。
海軍への支援任務にあたる場合、艦はドローンの母艦として機能します。この場合、UUV(無人水中車両)やUSV(無人水上車両)を展開するための船尾ランプや、UAV運用のための飛行甲板・格納庫などの設備が導入されます。
海洋研究調査の任務にあたる場合、研究員や運用スタッフのための宿泊施設や研究設備が導入されます。
全長は107mと小型ですが、外見は各国が運用しているヘリ空母や強襲揚陸艦に近く、運用予想図には甲板上にヘリコプターと無人機らしきものが置かれています。
多目的艦の艦橋は船体の半分近くに達するほど大きく、艦首にはスキージャンプ勾配が設けられています。これにより小型の固定翼タイプの航空機やUAVを運用可能と思われます。
将来に向けての多用途性を確保するため、艦の区画配置が設計され、650平方メートルの貨物デッキと20フィートのコンテナ12個を収容できるスペースで構成されています。
これにより、モジュールコンテナ化された病院施設、高圧室、無人潜水艇の管制室などの設備を必要に応じて設置できます。
グループのCEOであるアルナウト・ダーメン氏は、「艦はドローンの運用に特化させることができる。それはこの種としては初めての艦であり、海軍部門の新たなマイルストーンになるだろう。」
「艦の持つ多機能性により、ポルトガル海軍の厳しい任務を遂行するだけでなく、海洋研究の拠点としての役割も果たせる。今回の多目的艦の提供は、ポルトガル海軍だけでなく欧州全体の防衛産業界にとっても価値ある一例となるはずだ。」と述べています。
今回の多目的艦のプロジェクトは欧州の入札プロセスにのっとり、 NextGenerationEU (コロナパンデミックで影響を受けたEU加盟国への経済復興パッケージ)の一部であるRRFから資金提供を受けています。
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