世界最強クラスの機関砲 ロシアの2S38を紹介

57mmという世界最大級の機関砲を持った2S38を紹介します。これは21世紀になってから実用化されたロシアの自走対空砲です。

2S38 Derivaciya PVO –
Russian 57 mm
Self Propelled Anti Aircraft Gun
©2020 Armies Power

2S38 57mm自走対空砲 主要緒元

有効射高
(航空目標)
4,500[m]
有効射程 6,000[m]
交戦目標 航空機
対地ミサイル
巡航ミサイル
装甲車
発射速度
2[発/秒]
弾薬
128[発]
乗員 3[名]

 

ロシアの機関砲は世界最強クラス

57mm機関砲は小型の戦闘艦に装備するような代物なのですが、2S38は陸上兵器としてこれを装備しています。

このような兵器は初めてではなく、ロシアでは57mm規格の機関砲を装備した自走対空砲がずっと昔に存在していました。

それはZSU-57-2と呼ばれるもので、57mm機関砲を2門収めた砲塔をもち、1955年から投入されました。

しかし、第二次大戦時代と変わらない光学照準器を使用したことや砲塔規模が大きすぎたために旋回性が悪いといった点で問題があり、すでに超音速時代に突入していたジェット機に対応できず、5年足らずで生産が終了しました。

もっとも、57mm機関砲の威力は絶大であり、その対地攻撃能力が買われて現在でも一部の地域で使用されている話があります。

2S38の特徴

攻撃能力
2S38の車体はロシアの歩兵戦闘車「BMP-3」のものを流用し、57mm機関砲と各種センサーユニットをコンパクトな無人砲塔に収めています。

探知はレーダーではなく熱源追尾装置を使用して敵対目標を走査します。最大探知距離は12,000mほどです。

無人砲塔ですが、21世紀に入ってから各国で無人砲塔が実用化され、一部の歩兵戦闘車や偵察戦闘車などに装備されています。

防御力
車体前面の複合装甲は30mm機関砲から発射された徹甲弾に耐えるよう設計され、その他の部位も14.5mm重機関銃の射撃に耐える能力があります。

乗員の生存性を高めるためNBC防御能力と自動消火装置も内蔵され、発煙弾による防御も可能です。

機動力
エンジンにはBMP-3に使用されるUTD-29ディーゼルエンジンを搭載し、500馬力の出力により最高速度70km/hを発揮します。

駆動系のユニークな機能として、排気ガスから煙幕を出す機能も付与されています。

2S38はウォータージェットを装備しているため水陸両用車両です。

57mm砲が選ばれた理由

※ここからはあくまで個人的な考えの記述です。

対空車両として
57mm機関砲は命中すれば致命的な損傷になるでしょう。

ですが、より確実な攻撃手段はミサイルです。射程がより長く、命中精度が高く、さらに破壊力があります。

ロシアはソ連時代で機関砲とミサイルのハイブリッドタイプを実用化しています。機関砲も30mmクラスですが、凄まじい連射力を持っています。

いくら単発の威力が高くても、対空能力はそのようなタイプに劣ると思われます。

火力支援車両として
57mm機関砲は火力が高く、30mmの比ではありません。そのため戦車以外の装甲車両であれば数発で撃破することができます。

建物に対する攻撃力も絶大で、コンクリートの建物も粉砕してしまうでしょう。

地上部隊への追従
対空機関砲は高高度まで弾丸を到達させる必要があるため、長射程です。

戦車の主砲の射程距離は4,000m程度なので、6,000mの射程を持つ2S38は友軍の戦車以上の距離から射撃ができます。

友軍の地上部隊が交戦する地域にヘリや対戦車ミサイルを装備した歩兵、装甲車が現れても、十分な距離から破壊的な砲弾を撃ち込めることになるのです。

このことから推測すると、地上部隊との連携を前提にした火力支援車両としての性格が強い車両といえるでしょう。

高コストになるレーダーを搭載せず、熱源追尾のみの対空能力を妥協したセンサーもその裏付けといえます。

おまけ より大きな対空機関砲はあるのか

自走する対空砲としては、さらに巨大な76mm砲を装備した対空砲が試作されています。

それがイタリアのOTOMATIC自走対空砲で、1980年代末に開発されました。

これを開発したのは世界で最も広く使われる軍艦の主砲を造っている企業、オート・メラーラ(現レオナルド)です。

対空砲としては破格の射程距離と威力を持っていましたが、広く対空ミサイルが使われる時代にわざわざ対空砲を使う意味はなく、システムが重く大きすぎて価格が高すぎるなどの理由で不採用になりました。

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