オーストラリアのeVTOL「ベルティア」が政府助成金を獲得

Vertiia vtol by AMSL Aero: The most efficient air taxi | evtol news
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2023年11月に、オーストラリアのeVTOL開発メーカー AMSL Aero が開発中のeVTOL「ベルティア(Vertiia)」が、オーストラリア政府から約5億2千万円( AU$5.43million )の補助金を獲得しました。

ベルティアは8つのプロペラユニットを備え、それらを4つずつ前後の翼に配置にした特徴的な外観をしています。胴体と前後の翼は構造物でつながっており、四角い枠で取り囲んだようなボックスウイング構造になっています。

8つのプロペラユニットは電源系が独立しており、仮にプロペラが停止した場合でも、ほかのプロペラにより安全に着陸することができる安全性を持ちます。

搭載ペイロードは500kgであり、時速300kmで巡航する飛行性能を持ちます。

航続距離は搭載バッテリーによる完全電動駆動の場合、250kmとなっています。

機内の内装をモジュール式にすることで、定員5人の小型旅客機にしたり、救急用担架と医師用座席を組み合わせた医療航空機に変更することができます。また純粋な貨物輸送仕様にすることで、搭載能力をフルに発揮できます。ほかにも個人利用や軍用バリエーションについても、要求があれば対応すると発表されています。

機体はモジュール式で設計されているため、新たな仕様が生まれてもバージョンの変更が容易に行えます。

また、電動からハイブリッド駆動式にした場合は1,000kmの航続距離を発揮できるとされ、さらに水素を燃料にしたエンジンが開発された場合、これを積極的に取り込み、環境負荷をなるべく抑える方針です。

水素燃料は約10分で燃料補給が完了するため、バッテリー充電よりも運用サイクルを速くできるメリットもあります。

将来の展望として水素燃料動力が実用化されれば、運用コストがヘリコプターより70%低い航続距離1,000kmの環境負荷の小さい航空機に改良されるため、オーストラリア政府も大きな期待をかけて支援を続けることでしょう。

eVTOLを開発する企業はオーストラリアでは非常に少なく、政府も開発を後押しすることでオーストラリア発の技術開発を進めたい意図があると思われます。

ベルティアは、開発計画が順調に進んだ場合2026年内に生産可能になる予定です。

AMSL Aero

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