アメリカ海兵隊向けの地面翼効果機の実証契約が結ばれる

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アメリカロードアイランド州の水上グライダーの製造メーカーとして知られるリージェント社が、アメリカ海兵隊に提供する地面翼効果機のコンセプトモデルを実証する契約を取り交わしました。

リージェント社は1,600kgの物資および乗員12名を載せ、時速290km/hで飛行する機体を開発した実績があります。

現在アメリカ軍はインド太平洋域での作戦行動に使用する新たな装備の模索を行っており、膨大な数の小さな島に構築された小規模なインフラおよび基地設備で人員と物資を運用する手段として、水面上数メートルを飛行する地面翼効果機に白羽の矢が立った模様です。

任務自体はヘリコプターやVTOL機のオスプレイなどの従来機で行うこともできますが、部隊を広く分散させる都合上ジェット燃料などの莫大な運用コストがかかる上に、性能過剰で重量も重く、着陸場が確保できない場合は着陸できないなどの欠点が存在します。

またヘリやVTOL機はパイロットの習熟に時間と費用がかかる問題点を抱えており、小型ながらもヘリコプターに勝る高速性と水上着陸能力を持つ地面翼効果機のメリットは大きいでしょう。

試作される機体は完全な電動駆動で、飛行高度が低く隠密性が高いうえ、熱源追尾型の対空ミサイルに捉われない特長があります。

社の代表者は「軍から新たな水上グライダーを試作する予算を受け取った。我々が開発する機体は要求に一致し、既存の航空機では達成できなかったニーズを満たすだろう。」と述べています。

今回のプロジェクトは、広大な群島をカバーするための戦術や兵站高速化のためのデータ収集という目的が強いものであり、試作モデルの製造と試験結果を経て水上グライダーが軍事運用にどこまで向いているかを推し量るものといえます。

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