ストーンヘンジ 太古の巨石が伝えるものとは 世界遺産を学ぶ

先史時代という非常に古い時代に建造され、今なお未解明な部分が多い”ストーンヘンジ”。その巨石に宿る人々の想いとはなんだったのか。「世界遺産を学ぶ」シリーズ・シーズン1の第4回は太古のブリテン島の住民たちが造り上げたストーンヘンジを取り上げます。(全6回)
タイトル画像:©Noah_JurikによるPIXABAYからの画像

ストーンヘンジ 概要

STONEHENGE – UK 2019 4K
©2019 Jacek Zarzycki

私たちがストーンヘンジとして思い浮かべるものは、画像のような石を積み上げた遺跡ですが、世界遺産としては主にストーンヘンジとエイヴリーの2箇所が主な範囲として登録されています。

2008年には青銅器時代の遺跡の部分が世界遺産の範囲に追加されました。

これらは紀元前3,700年から2,000年の間に建造されていったと考えられています。

ストーンヘンジが建造された目的ですが、建造された時代が非常に古い上に様々な年代にばらけているためはっきりと確定することが出来ず、様々な仮説を生む存在となっています。放射線年代測定に使用可能なものが殆ど発見できていないことも、研究の進捗を妨げる要因になっています。[the_ad id=”4424″][the_ad id=”4341″]

世界遺産としての価値


先史時代に人類がどのような活動をしていたかを知る上で大きな資料価値があり、埋葬された大量の人骨から太古の宗教や儀式の場所として使われた説、初期の天文台や暦として使われた説、これらを複合した説などが唱えられています。

いずれにせよ太古の時代の人々が長い年月を使って遺跡を建造した事実は、当時の人々が何かしらの大きな目標に向かって動いていた裏付けであるのは間違いありません。

ストーンヘンジ


世界遺産にはストーンヘンジ単体のみでなく、様々な周囲の遺跡も登録されています。

ストーンヘンジ遺跡群は紀元前3,100年ごろから紀元前1,700年ごろまでの長い年月にわたって徐々に形作られました。その間に新しいものが追加されたり、以前あったものも手を加えられたりして姿が変わるなどしています。

ストーンヘンジ自体の構造は、3つの巨石を門型に組み合わせてそれを馬蹄型に配置したものを中心とし、その外周を巨石で囲んでいます。外周の巨石は風化により崩れていますが、もともとは完全な円形をしていたと考えられています。

エイヴベリー


ストーンヘンジから30kmに位置する遺跡群です。ストーンヘンジの遺跡群よりも大きな規模の遺跡群です。

遺跡群には外周に溝を掘ったヨーロッパで最大級の規模を持つ環状列石のほかに、古代の火葬場として使用されたウェスト・ケネット・ロング・バローや高さ40mの先史時代としては世界最大級の人工の丘であるシルバリー・ヒルが含まれています。

環状列石はもともと98個のサルセン石を並べて建造されたと考えられており、使用された石の最大の重さは40tとなっています。

農業の確立とストーンヘンジ


効率的な食料調達手段である農業の発明は、狩猟主体で不安定だった食糧事情を安定させ、人々に定住性をもたらしました。

十分な食糧が生産できるようになると、以前は狩猟に使っていた時間が振れるようになり、巨大な石を移動させて立てる大掛かりな作業がはじめて可能になったのです。

かたつむりの殻を指標にした最近の調査では、人々が森林を切り拓いて草原になった時代は紀元前4000年ごろと判明しています。[the_ad id=”4425″][the_ad id=”4336″]

ストーンヘンジと道路事情

ストーンヘンジは幹線道路との距離が近すぎるということが以前から問題となっており、周囲に存在する道路によって遺跡同士の間が断ち切られています。

世界遺産の景観を守り、周囲の開発を防ぐための取り決めが可決され、影響が大きい一部の道路は閉鎖されるなどの対策が行われつつあります。

ただし、道路のもたらす利便性や経済効果を考えると遺跡のことばかりを優先する訳にもいきません。

エイヴベリーの場合はより深刻で、遺跡を取り囲むように住宅や店が立ち並んでいるため、保護の進捗は慎重に進めざるを得ない状況です。


©chetanshah8によるPIXABAYからの画像

ストーンヘンジ 世界遺産の登録内容

世界遺産登録名 ストーンヘンジ、エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺跡群
(Stonehenge,Avebury and Associated Sites)

世界遺産登録年 1986年

世界遺産登録基準 内容

人類の創造的才能
最大で数kmに及ぶ規模の大きさ、巨石の移送手段や精巧な配置は、先史時代に人類が創造した遺跡としては極めて高い技術で造られており、当時の人々の技術力と情熱の高さを示します。

人類価値の相互交流
建造が始まった紀元前4,000年ごろからの約2,000年間、この地域における太古の芸術家や技術者に影響を与え続け、また各々の年代に建造が進行したことでそれらの時代ごとの技術の進化を示す資料価値があります。
また13世紀以降の文献で登場しており、中世以降の歴史学や建築学に影響を与えたことも分かっています。

過去の文明の証拠
ストーンヘンジは現在、宗教的な目的で使用と建造がなされたという説が最も有力です。
配置から初期の天文学に基づく儀式が行われた可能性があり、さらなる研究によってこの地域で太古の時代にどのような宗教的概念や葬儀が行われたかを示す有力な資料となることが期待されています。
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イギリス 飛行時間と料金 (目安)

©bilaleldaouによるPIXABAYからの画像

日本からでは、直行便で13時間が目安です。

格安航空と呼ばれる安価な航空券の場合、往復で約65,000円程度から利用可能なものが多い印象でした。

ツアーの場合はどの航空会社を利用するかや内容によって違いますが、安いものでも120,000円ほどのお値段(大人1名料金)となっています。

ストーンヘンジの所在地

ストーンヘンジ遺跡はイギリス南部のソールズベリーに存在しています。

ロンドンからは百数十km程度離れており、バスや鉄道を利用すると2時間以下で到着することが可能です。

イギリスの気候

海流の影響で高緯度の割には比較的温暖で、真冬でも日本とあまり変わらない冷え込みです。夏場は最高気温が日本より10度前後低いため、温度だけ見れば過ごしやすいといえます。

雨が多いというイメージがあるイギリスは降水量が一年を通して平均的で、日照りが長続きすることはありません。しかし、降水量自体は日本の半分程度でありまとまった雨が長続きする季節もありません。

旅行のベストシーズンは6月から8月です。日照時間が18時間と長く日中の活動時間が多くなります。

イギリスの通貨・両替

©PublicDomainPicturesによるPIXABAYからの画像

イギリスの通貨はポンド(British Pound)で、現在の1イギリスポンドは142円となっています。補助通貨はペンスで、100ペンス=1ポンドです。ややこしいですが1ペンスというものはなく、1ペニーと呼ばれます。

紙幣は5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンドの4種類が流通しており、硬貨は1ポンド、2ポンド、1ペニー、2ペンス、5ペンス、10ペンス、25ペンス、50ペンスの8種類が流通しています。

イギリスの電力事情

イギリスで普及している一般家庭用の電圧は230Vで、周波数は50Hzとなっています。

日本のものを使う場合は変圧器を持参するか、世界の電圧に対応している(100V-240Vと表記)ものを持って行きましょう。

コンセントプラグの形式はBF(G)型です。

渡航安全情報 (2020/03)

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警戒情報はありません

2017年にテロ事件が数件発生していますが、それ以降そのような事件は発生していません。(2020年現在コロナウイルスが猛威を振るっていますが、ここでは現地の治安に関することのみを記載しています。)

衛生・病気について

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病院の対応レベル 高い

病院の対応力は高いため、衛生環境の整った治療が期待できます。

長期滞在者は公的医療機関への登録が可能ですが、旅行者は基本的には短期滞在なので私的医療機関での対応となります。

医療費が高額になりますので、海外旅行保険への加入なども視野に入れておいたほうが安心できるでしょう。

以上、「世界遺産を学ぶ」シリーズ・シーズン1第4回、”ストーンヘンジ”でした。また次回にお会いしましょう。

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